~辛い腰痛その原因は何?~
「腰痛」は、自覚症状のある病気やけがとして、常に1位、2位に挙げられています。腰が痛い、腰が重いなどの腰痛の症状は、日本人のおよそ8割の人が経験したことがあると言われ、腰痛に苦しんでいる人は全国に約1200万人いると言われています。 また、一度腰痛になると慢性化する人が半分近くにのぼると言われ、まさに国民病だとも言われています。 近年では腰痛を訴える労働者が増え、業務上疾病数では断トツのトップとなっています。
認定基準では、腰痛を次の2種類に区分して、それぞれ労災補償の対象と認定するための要件を定めています。労災補償の対象となる腰痛は、医師による療養の必要があると診断されたものに限ります。
(1)災害性の原因による腰痛 業務上の負傷に起因して労働者に腰痛が発症した場合で、通常一般にいう負傷のほか、突発的なできごとで急激な力が加わることにより内部組織(特に、筋、筋膜、靭帯等の軟部組織)の損傷を引き起こすことが認められるものについては、労災補償の対象となります。
(2)災害性の原因によらない腰痛 重量物を取り扱う業務等腰部に過度の負担のかかる業務に従事する労働者に腰痛が発症した場合で、その労働者の作業態様、従事期間及び身体的条件からみて、腰痛が業務に起因して発症したものと認められ、かつ、医学上療養を必要とするものについては、労災補償の対象となります。 また、腰部に過度の負担のかかる業務におおむね3か月から数年以内の比較的短期間に従事する労働者に発症した腰痛と、主に重量物を取り扱うような作業態様の業務におおむね10年以上のかなりの長期間にわたって継続して従事する労働者に発症した慢性的な腰痛とに分けて考えています。
よく耳にする「ぎっくり腰」は、一般的には漸次良くなって行くものであるが、発症直後に椎間板ヘルニアを発症することもあるので、時には災害性の原因による腰痛として補償の対象となる場合もあるとされています。
職場における腰痛を引き起こす作業上の危険因子としては、物の挙上作業が多い、重量物の挙上、人の移動・介助、物の引っ張り動作、振動、腰の捻り、中腰・前かがみ姿勢、座り姿勢、運転時間が長い、暑い・寒い労働環境、狭い作業空間などが挙げられ、このような業務や、職場で働いている方はご注意下さい。